林田学著「リコールの実務」(東洋経済新報社)を読みました。 林田学さんはPL法の第一任者として知られた人です。PL法施行後のリコールがどう変わるのかを 林田学さんはこの本で説明しています。 林田学さんはこう述べています。 『1995年7月1日、PL法が施行された。中小企業の中には消費税が導入された時と同じくらいの混乱 があるとも言われたが、95年11月現在では、いまだにPL法に立脚した訴訟(PL法が適用されるのは 95年7月1日以降に出荷された製品に限られる)は提起されていない。 ではまったく動きがなかったかというとそうではない。PL法施行後たいへん目立ったのはリコール (製品回収)である。特に際立ったのがミネラルウォーターであった。 私がこの本を書こうと考えたのは95年5月のことであった。PL法施行後1年くらいはPL法適用事件に 注目が集まる。しかし、それは企業のイメージをダウンさせるので企業としてはそれを避けたいと思う。 そうすると、欠陥品が発見されたら事故を未然に防ぐべく、企業は製品回収、すなわちリコールに走る。 私はこう考えた。実は94年にも、資生堂が創業以来初めてリコールを行うなどその前兆はあった。 そして、私の予測は現実のものとなったのである。東京都衛生局取扱事件では、95年10月末段階で、 リコールが行われたミネラルウォーターは23銘柄に上がるが、そのうち7銘柄は企業側が自主的に 届出をし、回収を行ったものである。 この自主的回収の数の多さは、やはりPL法との絡みを抜きにしては考えられない。 こうした観点からみると、リコールに新しい時代が到来したとも言えよう。 PL時代のリコールが、今ここにスタートを切ったのである。』 林田学さんがこの本を書いたのはPL法施行直後の1996年です。 この間、石油ファンヒーターの回収などリコールの事例はしばしば起きています。 特に消費者庁ができてからは消費者庁がリコールを仕切るようになり 消費者庁のホームページにその情報が載せられています。 林田学さんがいち早く取り組んだこの問題は年を経るにつれますます重要になっているように思います。